日本で最も美しい村 季刊誌取材 高山村編④

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寒空とリンゴの美味しさはよく合うものだ

時折戸外を警邏する。取材中でも皆を守る姿勢を崩さない。
いつ何時でも油断大敵なご時世だ。

宿泊先の山田温泉「風景館」の女将さんを取材。
看板犬のななこちゃんはいつもそばで見守ってくれている。ラウンジではマキストーブが静かに燃えていた。

前日は雨で外での撮影ができなかったので晴れ間を見つけ撮影する。高山村産のワインを持ちながら。

村のあちこちにブドウ畑やリンゴ畑がある。夕方の陽射しに照らされてじんわりと暖かい。

気温が次第に下がり歩いていないと寒くなってきた。標高は約600mほど、秋田よりも寒いんではないか。

村の温かなコミュニティがあった。

「サロン」と書かれた厚紙製の表札がある。室内では今年のリンゴの出来栄えや世間話で賑やかな時間が流れている。店内でコーヒーを買い、じっくりとした時間が流れていた。

雰囲気の良い小さな細い路に雰囲気の良い草花がある。

「サロン」では名物の「おやき」と採れたてのシナノスウィートをご馳走してくれた。パリパリと歯触りが良くて、甘く香りが良くて、本当にジューシーだった。あれからというものリンゴをよく食べるようになった。お土産にたくさんリンゴを頂いた。

すっかりと夕暮れに。
空がまだ明るいが雲は低く垂れている。

この日締めの取材は村長。
穏やかな話し方や佇まいに、こちらまで落ち着いてしまう。言葉の厚み重さは感じるものだろうな。こういうものはどうしたら写真に写るのだ?と話を聞きながら考えていた。村長室を照らす明かりの中でこの2日で駆け回った景色が回想しながら村長の言葉と声で写真のイメージを持ちたいと思った。またしても答えが難しいことばかり持ち出してしまう。

けれど撮影は至ってシンプルにしたいのだ。
そのままが一番美しいってことが往々にしてある。生身が温度を伝えやすいのだ。

美しさは何通りもある。
演出されたものは時に溜め息すら出ることもある。

しかし、素の美しさは体内に響くものだ。
そういうものは自分では分かりにくいからいいのかも知れないし、だから守られるものだと思う。

そういうものに触れることはそう多くはない。そういうものに出会いたい一心なのだ。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

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