スペシャルティコーヒーの再現性を高める

  1. COFFEE
  2. 770 view

ポテンシャルを引き出すには様々な角度から観察をすることだ。
しかし、余すことなく引き出すのは少し考えてしまう。全て出し切ってしまえば余計なものまで出てきてしまう恐れがあるから躊躇してしまう。だからこそ素材を知るのと、何を使うのか、最適な抽出方法とポテンシャルへの焦点を定めることだ。つまり、コーヒーの話だ。

今日はエスプレッソのメッシュ(挽き目)合わせの最中にコーヒーの底力を感じた。追い込んでギリギリまで詰めていくと見えてくる美しいバランスが現れる。あるところから途端にジューシーな酸味が突出し、輪郭がはっきりと浮かび上がってくる。香りに厚みが生まれて、ザラついた舌触りは滑らかに変化する。突然目の前に現れる絶景といった感覚で、久しぶりに感じる好敵手といった感じだ。豆の持つポテンシャルを感じずにはいられなかったからこそ、ストイックになれたのは云うまでもなかった。生産者に敬意を払いたい。

良質の素材を扱うのは基本だが、そのポテンシャルをいかにカップの中へ再現していくかはシビアに向き合う必要がある。それが飲み手へ伝わったようであれば喜びは一入である。毎回同じようにはできないのは色々な要素が絡み難しいことだが、うまくできなくても冷静になり動じない姿勢で可能な限りのコントロールを心掛けたいものだ。それが毎回のコーヒー作りになっている。

お店に来られた際にはお気軽になんでも聞いて欲しい。
もしかしたらもっとコーヒーが面白くなるかも知れないよ。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

紛れこむものの作用

カエルの合唱が風に乗って聞こえてくる。そろそろ田圃に水が入る季節だと知れる。こういう里山の田舎では自然からたくさんの便りがある。今年も「アカショウビン」が来て…

  • 339 view

北海道出張⑤

朝に目が醒めると枕元のノートに書き綴った数行の文章に目が止まり、その脇に小鳥の絵を描いてある。就寝前にまくらを抱きながら書いていたのだが言葉がまとまらず、つい…

  • 548 view

グァテマラセミナーへ

セミナーとSCAJグァテマラのコーヒー農園主からお話をいろいろと聞いてこれる貴重な機会を頂いた。カッピングもできるので今から楽しみだ。コーヒーと言えど様々にあ…

  • 279 view

甘酸っぱいエスプレッソ

吟味する素材の持ち味を知ること。それに尽きるところだが、それを知ろうとすると多方向からのアプローチは必要だ。カッピングから始まり、ドリップで抽出時間や温度、粒度を…

  • 466 view