スペシャルティコーヒーの再現性を高める

  1. COFFEE
  2. 763 view

ポテンシャルを引き出すには様々な角度から観察をすることだ。
しかし、余すことなく引き出すのは少し考えてしまう。全て出し切ってしまえば余計なものまで出てきてしまう恐れがあるから躊躇してしまう。だからこそ素材を知るのと、何を使うのか、最適な抽出方法とポテンシャルへの焦点を定めることだ。つまり、コーヒーの話だ。

今日はエスプレッソのメッシュ(挽き目)合わせの最中にコーヒーの底力を感じた。追い込んでギリギリまで詰めていくと見えてくる美しいバランスが現れる。あるところから途端にジューシーな酸味が突出し、輪郭がはっきりと浮かび上がってくる。香りに厚みが生まれて、ザラついた舌触りは滑らかに変化する。突然目の前に現れる絶景といった感覚で、久しぶりに感じる好敵手といった感じだ。豆の持つポテンシャルを感じずにはいられなかったからこそ、ストイックになれたのは云うまでもなかった。生産者に敬意を払いたい。

良質の素材を扱うのは基本だが、そのポテンシャルをいかにカップの中へ再現していくかはシビアに向き合う必要がある。それが飲み手へ伝わったようであれば喜びは一入である。毎回同じようにはできないのは色々な要素が絡み難しいことだが、うまくできなくても冷静になり動じない姿勢で可能な限りのコントロールを心掛けたいものだ。それが毎回のコーヒー作りになっている。

お店に来られた際にはお気軽になんでも聞いて欲しい。
もしかしたらもっとコーヒーが面白くなるかも知れないよ。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

コロンビア気分

コーヒーを飲みたくなって大抵手が伸びるのはコロンビアだ。こればかりは20年近く変わっていない。どうしてか。自分でも分からないでいるが、コロンビアの持つ安心感の…

  • 433 view

コーヒー、2分後の世界

コーヒー豆をミルで挽く。お湯を注ぐとモコモコと膨れ上がり芳香が立ち昇る。ハンドドリップの面白みはここら辺にあるのかも知れない。エスプレッソは、しっかりとコーヒ…

  • 405 view

北海道出張⑤

朝に目が醒めると枕元のノートに書き綴った数行の文章に目が止まり、その脇に小鳥の絵を描いてある。就寝前にまくらを抱きながら書いていたのだが言葉がまとまらず、つい…

  • 547 view

梅雨の神戸

インドネシア・ブラジル会先日に神戸へ行ってきた。梅雨の神戸は出発した秋田よりは涼しかったが湿度高めであったが風が吹いていて心地よかった。伊丹空港からバスで三宮…

  • 517 view

いつかの空、いつかのコーヒー

燃えるような空はあっという間に燻んで冷めていった。早くも10月は終盤を迎えてしまい、紅葉は里山までに降りてきた。こちらの記事の更新では、あれよこれよといい加減…

  • 459 view

爽快コールドブリュー

27度の夏日だった。そろそろ水出しコーヒーを仕込もうかなと思わせ振りなお天気だった。「水出しコーヒー」というのは近年では「コールドブリュー」などと呼ばれたりしてい…

  • 487 view