言い訳の作られ方

  1. DIARY
  2. 434 view

煮詰まった。
頭の中で描いては紙に書き出しを繰り返していた。

書いているノートの上に子猫にしては大きくなったピノが寝そべったままノートを覆い尽くすほど伸びてこちらを見ている。
腹が立ったかと言えばそうでもない。

少々クールダウンをしようと外へ出た。
夜空にはキラリと強く光る星が見えたが、あれはきっと金星だろう。

コンビニへ寄って買ってきたのは強そうだったから「しろくま」にした。
買ってきたは良いがこんな大きいの食べるのかと、頭を冷やすなら飲み物でも良かったのに。
食べ始めると頭がキンキン痛むし寒かった。

「しろくま」を体内に取り入れると多少は強くなれた気がする。

確かあれは数年前に熊本へ取材した帰りに立ち寄った鹿児島だ。鹿児島へ着いたら雪が降っていた。
夜には飲みなれない焼酎の美味しさに目が覚めた。飲み方ってあるんだなって思う。

少し酔いながら取材でのことを思い返し、うまく撮影できなかったことに対して言い訳がましいことを考えていた。ただそれがとても嫌な気持ちになってしまったのを憶えている。そういうのは何かの理由にして結果を受け止めないってことで、こんな筈じゃなかったなどとほざくくらいでしか抵抗できない表れに似ている。それではとても仕事は務まらんよ、言い訳もほどほどに、とそう自分に言う他ない。

何でも上手くやろうとする自分と、挑戦しようとする自分が共存していてそれはどこかで矛盾してくる。自分の中で失敗の見え方が違ってしまうのだ。それが右往左往しているうちに言い訳となるわけだと。

そういうちょぴっとほろ苦いことを思い出した。

今日は「しろくま」さんのおかげでどうでも良いことを書く勇気をもらった気がする。また鹿児島へ行ってお礼を言わねば。
皆さんも行き詰まったら「しろくま」を食べてみると良い。たちまちに何かが動き出すことと思う。

それではまた。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

来年が幸運でありますように

フィードバックの仕方今年も例年通りにあっという間に年末になった。果たして「あっという間」が良いのか悪いのかは分からないが目紛しく走ってきたように感じている。日…

  • 188 view

梅雨時の散歩

6月12日より横手店を時間短縮で営業再開をした。何とか続けていられることに感謝しかない。新型コロナウィルスの第2波が来るのかどうなのか等、囁かれている中で不安…

  • 360 view

8月

暑くも寒くもない梅雨入り前のほんのわずかな季節も良かった。あっという間と言ってしまえば簡単に時間を飛ばせてしまうが、あっという間と言えないほどの良い時間を過ご…

  • 343 view

散歩道を歩く音

目の奥に潜む美面白い話なんてものは早々に見当たらないので今日はこのままパソコンを閉じてしまおう、なんて思いながらもかれこれ2時間ほど経った。できることなら毎日記事…

  • 427 view

いつか誰かの言葉が目覚める日

ハッとさせられる頭の片隅に置かれて埃を被っていたかのように、そういえばそんなこと話したなと思い出す。あの時話した中に印象に残っていた言葉の埃を払ってみる。シン…

  • 278 view