日本で最も美しい村 季刊誌取材 小値賀町編④

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島内をぐるり

前日の悪天候により撮影を遅らせていたので再度2箇所を訪れて撮影をする。
光の差し方や回り方などが良く撮影しやすかった。

その後は島内を車で走った。

島では肉牛の子牛を育てており各地へ出荷しているそうだ。

五両ダキ。
「ダキ」とは崖のことらしく、小値賀島は火山でできたことからこのような場所が多いとのこと。
海の侵食により生まれた景観だ。

知る人ぞ知る人気のゴルフ場。
島民で手作りで出来上がった5ホールのゴルフ場。元は放牧場だった。
風が強い時の海越えホールはどんなものなのか。

赤浜海岸。
火山岩の砂れきできた珍しい赤い砂浜。
鉄分を多く含んでおり火山島特有色がよく分かる海岸とのこと。
ここは風裏により波風が穏やかだ。向かいには上五島方面が見える。

地ノ神島神社(ちのこうじまじんじゃ)。
対岸の野崎島に沖ノ神島神社(おきのこうじまじんじゃ)が分祀されており、遣唐使船団の航海の安全を祈って創建されたとも言われている。

穏やかな光と心地よい空気に包まれた空間。

当たり前という自分の思い込み

島に来てからというもの、天候もそうだが色々と気づくことがあった。
例えばコンビニや信号の存在というもの。コンビニはもちろんなくて島内には個人商店が生きている。信号は2機ある。

べつに不便を感じたわけではない。
私が住んでいるのも超がつく田舎だからその便利さも分かっているつもりだ。

コンビニは1つあるだけで商圏が壊れる恐れがあると聞いた。信号は本土へ行き交通ルールに不慣れにならないよう役場近くと小学校前に設置されている。平たく書くとうまく伝わるかわからないが、とても優しい気持ちに触れた機会だった。もしかしたら島では欲している人だっているかも知れないが、あるとちょっと「便利」というものが地域を「崩壊」へ進めてしまうこともある。もちろんそれは人口規模にもよるが。

「美しい」というものの中には「そのまま」と「もっと」があると感じた。

便利さとの引き換えかと考えたが、そうとは言い切れない気持ちが湧いてくる。

都会はもう止められないのだろう。
そこに住む人の思想は、それぞれに個性や限界がまだまだあるのだと思う。欲する気持ちを抑えるのか、叶えるのか。それともそれが叶う土地へ行くのか。

人の生き方には様々な種類があるのだなと思いながら島内を散歩した。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

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