ある子猫の生涯

虚無と花子猫が倒れていた。目脂と涎で顔は汚れ失禁していて時折思い出したように苦しく深く息をし、まるで嗚咽するかのようだった。瞳孔は開き血色無く身体は冷たくなっていた。もう救えないのだなと感じた。この子の周りには親猫の姿が見えず、一人横たわっている。少し離れたところから毛並みの似た子猫が座…