たくさんの人の手
遅ればせながら「A FILM ABOUT COFFEE」を観た。生産地へ訪問し始めてから見てきたものが画面に映っていた。知らない内に色々な体験をさせてきてもらっているのだと感慨深く思う。訪れた海外や日本のカフェも映っていてなんだか不思議な気分だった。どんな人になって、何を作り、何を届けるのか。
コーヒーにはたくさんの人の手が関わっている。種を蒔いて苗を管理するのも、農園の管理、コーヒーチェリーの摘み取り、精製、運搬、輸出など生産地では日本では見えにくいことも少なくない。その後、日本で品質管理や焙煎、抽出が主体かと思う。自分ができることは思いの外少ないと考えたことがあった。
コーヒー生豆の持つポテンシャルを最大限に引き出しカップへ再現できるよう務めるのが最低限のラインとしている。そこから自分だからこその仕事を考え、試して、創っていきたいと思う。とてもシンプルでやり甲斐のある仕事だ。どこへ行ってもコーヒー屋さんはあるし、ありがたいことにまた仲間も増えた。
国内でも高品質で美味しいコーヒーが増え、スペシャルティコーヒーの認知も高まっている。香りと味わいだけにとどまらず、コーヒーの持つ人を惹きつける力には楽しいことがたくさん詰まっていると思うのでそこを掘り下げてみたいと考えている。コーヒーの中にはまだまだ魅力的な世界が広がっているのだ。年度末にコーヒー飲みながら思いに耽り、来月の出張予定を立てていこうと思う。