1杯のコーヒーにはたくさんの人たちが関わっているということ

近年コーヒーブームが何度も押し寄せてきて、街のあちこちにコーヒー屋さんができてきた。割と安易だがコーヒー文化が育つに違いないと期待している。いつでも気軽にコーヒーが楽しめる日常があるということだ。コンビニでもスーパーでもどこでも入手できて敷居が下がってきたように感じている。しかし、その「コーヒー」と言えども見えにくく、分かりにくい箇所があるのもコーヒーの面白さに一役買っていると思う。「コーヒーは香りが命」とまで言われていたりするが、もちろん否定的ではない。香りは派手に広がっても構わない。しかし、派手さだけでは品位に欠けることもあり質感に目を向けてみることで見えてくる品質がある。そして誤解されるのがコーヒーの酸味。

酸味 → 酸っぱい →コーヒーは苦手

多くの誤解はここから始まっているように感じている。様々な角度からセミナーを試みたが酸っぱ味は苦手な方が多い傾向にある。酸味とは果実の中にある酸味と捉えていただくと良い解釈ができるかと思う。果実と言っても、その酸味をいきなりレモンなどに置き換えてしまうと良い解釈までの道は遠のく。例えば、ストロベリーやリンゴなどを思い浮かべてその甘さと寄り添った酸味を想像すると良いかも知れない。酸味を伴った甘さはとても上品な印象を与えてくれるし爽やかな味わいになる。昨今スペシャルティコーヒーが広がり高品質なコーヒーが身近になった。このスペシャルティコーヒーというのは、特徴的な香りや味わいがあり、流通過程の透明性などの情報が明確で消費者サイドへの安心につながる定義がある。しかし流通量は大変少量であり全体の5%〜7%程度とも言われているが、統一された品質基準がないためにスペシャルティが乱れている感も否めない。スペシャルティコーヒーの底力は強い。

スペシャルティコーヒー

さて、スペシャルティコーヒーとはどんなコーヒーなのか?昨今のコーヒーブームによりスペシャルティコーヒーが広まりつつある中、スペシャルティコーヒーという言葉だけが先行している感も否めない。下記にある抜粋文のように風味特性に優れていることはもちろんだが、その豆に最適化された技術が必要とされる。その豆にあった技術のアップデートを小まめにしていくことが必要になる。

消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須である。(From seed to cup)
具体的には、生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。そして、適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。さらに、適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されることが求められる。
日本スペシャルティコーヒー協会は、生産国から消費国にいたるコーヒー産業全体の永続的発展に寄与するものとし、スペシャルティコーヒーの要件として、サステナビリティとトレイサビリティの観念は重要なものと考える。 ※スペシャルティコーヒーの定義 (日本スペシャルティコーヒー協会より抜粋)

コーヒー農園視察

秋田から遠い生産地へ行き見たまま感じたままをつらつらと書き残したラフのようなもの。これらは自分の中の備忘録としてこれからも書き足していく。下記画像のリンク先にあるコーヒーを楽しんでもらえたら幸いだ。