桜の木のしたで

  1. DIARY
  2. 301 view

どうして片方の靴は違うもの履いているのかと気になったので勇気を出して聞いてみた。
少し間をおいて「踏んずけてしまって…」と返答があった。

どうしようもないことだってあるんだ。そんな時だってあるんだよ。
全く他愛のない言葉が頭を過ぎったが飲み込んで「どうだった?、サイズ感は?」と、ジェスチャーしながら更に問いかけ、小さく哀れみ返事を待ってみる。じわじわと込み上げてくる笑いをねじ伏せ、また店長の履いている靴を眺めた。

そんな西日が綺麗な夕暮れだった。
きっと彼には幸運が舞い込むに違いない。

そう願っている。

コーヒー豆の買い付けで海外へ行き、コーヒー豆の消費国と生産国で多くのバリスタと出会いコーヒーの世界観はまだまだ広がっていく。人の魅力はどこからやってくるのか、撮影の折にいつも思う。美しさとは何なのか、近年のテーマとなっている。旅はこれからだ。

caffe gita yuzawa / caffe gita yokote オーナー
株式会社 gita 代表取締役

記事一覧

関連記事

831

夏はそろそろ後ろ姿を見せているように感じる。長梅雨はこれでもかというほどに雲を覆いかぶせていたものの猛暑に切り替えてきた。とは言え、朝夕の気温はお盆を越えて穏…

  • 440 view

動機という力

「動機」という言葉が持つパワー感が凄い。動機の有る無しは結果に作用し、それは欲したところで簡単に手に入る類ではない。何となくでは届かない領域といってもいい…

  • 338 view

コーヒーについて

10月に入り朝と夜は寒くなった。そろそろストーブに火を着けたいと悩んでしまう気温だ。だから長袖を着て机に向かっている。先日、久しぶりに神戸へ行きコーヒ…

  • 548 view

雪国に暮らすということ

春を待つ楽しみ雪国に生まれ育った私はいつの間にか春を待つことが楽しみになっている。「春を待つ」という言葉もいい雰囲気だ。秋の紅葉が終わりを迎える頃に冬支度が少し進んで…

  • 476 view

ある子猫の生涯

虚無と花子猫が倒れていた。目脂と涎で顔は汚れ失禁していて時折思い出したように苦しく深く息をし、まるで嗚咽するかのようだった。瞳孔は開き血色無く身体は冷…

  • 528 view